
KDDIが、スマートフォンと衛星の直接通信サービスを今春にも開始すると発表しました。これにより、山間部や海上など、携帯の電波が届かない場所でも通信が可能になります。
どのようなプランで利用できるのか、料金はどのように設定されるのか。すでに発表されているアメリカ T-Mobileの事例も参考にしながら、KDDIのサービス内容を予測していきます。
iPhoneも対応予定、200万台以上が利用可能に?
KDDIの髙橋誠社長は、2月5日の決算会見において「すでに衛星と端末の認可が下りており、試験サービスを提供中」と発表しました。正式なサービス開始は春を予定しているとのことです。
さらに、対応スマートフォンについても「Androidだけでなく、iPhoneも検討中」と発言しました。対象機種は未発表ですが、サービス開始時点で200万台以上が利用可能になるのではと述べています。
もしiPhoneも対応すれば、200万台どころか、さらに多くのユーザーが利用できる可能性がありそうです。
衛星通信で「Gemini」も利用可能に
当初、衛星通信サービスではSMS(ショートメッセージ)が中心になると考えられていました。しかし、髙橋社長は「Googleの生成AI『Gemini』が利用できる」とも発表しました。

KDDIは、Googleが推進する次世代メッセージサービス「RCS(リッチコミュニケーションサービス)」の導入を進めており、Geminiと組み合わせた新たなサービスを検討しているようです。
この技術を活用することで、たとえば以下のような使い方が考えられます。
- AIによる自動翻訳を活用したメッセージ送信
- 災害時の安否確認や情報整理のサポート
- 衛星通信を活用したチャットアシスタントの提供
正式な発表は3月までに行われる可能性があり、どのような新機能が登場するのか注目したいところです。
KDDIの衛星通信はどのプランで利用可能? 予想される料金プラン
現在のところ、正式な発表はありませんが、KDDIが提供する可能性の高いプランを予測してみました。
① auの「使い放題MAX」プランで追加料金なし?
KDDIのメインブランド「au」では、データ使い放題の「使い放題MAX」というプランが提供されています。
T-Mobileでは最上位プランの「Go5G Plus」(月額90ドル / 約13,500円)で追加料金なしで衛星通信が利用可能となるため、auの「使い放題MAX 5G/4G」(月額7,238円)などで追加料金なしになる可能性があります。

② 追加オプション(月額1,000〜2,000円)で利用可能?
T-Mobileでは、最上位プラン以外のユーザーも月額15ドル(約2,250円)のオプション料金を支払えば衛星通信を利用できます。
そのため、KDDIでも「月額1,000〜2,000円程度のオプション料金」で利用できるプランを用意する可能性があります。
③ povo2.0でトッピング提供の可能性も?
KDDIのオンライン専用ブランド「povo2.0」では、基本料金0円で、必要なときにデータ容量を追加する「トッピング」方式を採用しています。
この仕組みを活用し、「衛星通信トッピング(7日間 500円)」のような短期間利用プランが登場する可能性もあります。

④ UQ mobileはどうなる?
KDDIのサブブランド「UQ mobile」でも、最上位プランの「コミコミプラン(月額3,278円)」や「トクトクプラン(月額3,465円)」で対応する可能性があります。
「追加料金なし」に期待
アメリカでは、KDDIと同じくStarlinkと提携しているT-Mobileが、すでに衛星通信サービスの概要を発表しています。
T-Mobileのプランは、
- 最上位プラン(月額90ドル / 約13,500円)では追加料金なしで衛星通信が利用可能
- 他のプランでも月額15ドル(約2,250円)でオプション追加可能
- ベータ版は7月まで無料提供
となっており、柔軟な料金体系が採用されています。
KDDIもT-Mobileと同様に、最上位プランで「追加料金なし」の提供をしてくれると、多くのユーザーにとって利便性が向上するでしょう。
また、T-Mobileでは「電波圏外になると自動でStarlinkに接続される」仕様が採用されています。KDDIにおいても、同様にシームレスな接続が実現すれば、山間部や災害時の通信環境が大幅に改善されることが期待できます。
KDDIの正式発表に注目
KDDIの衛星通信サービスは、日本のモバイル通信のあり方を大きく変える可能性を秘めています。
特に、「データ使い放題プランで追加料金なし」となるかどうかが注目されます。今後の正式な発表を楽しみに待ちたい。